前回は「専門認定に関する規程」をざっくりと読み下しました。
今回は専門認定制度について私が思ったことを書きます。
まず最初に、専門認定制度は時期尚早なんじゃないか、と考えます。
理由1.移行措置期間の最中であり登録者のバラつきが多い
現在、正規の養成課程(A・Bルート)を経ている者はまだ居ないので、多くが移行措置の特例で受験資格を得た者(D~Gルート)です。知識面は試験である程度担保できるとしても、技能面ではバラつきが大きいのではないでしょうか。
バラつきを均すための研修等は必要でしょう。そうした研修が今後の生涯学習制度を計画するためにも役立つだろうとは思います。
ただ、認定制度を絡めるのは今はまだ早すぎないか?と思う訳です。
資格登録後〇年以上の経験とか、資格登録時の状態が分からないと計画できないんじゃないかな。
A・Bルートの人が出てきて、養成課程を経て資格取得時の公認心理師の能力はこの程度だね、バラつきはこのくらいの幅だね。そういうのを確認できてはじめて、そこからどうやって研鑽して行こうかと、制度として整えられるんじゃないだろうか?
理由2.公認心理師がまとまってすらいない
こっちの方が理由としては大きいかも。
職能団体も教員団体も分裂しています。心理学の学会は多くあるのに、さらに日本公認心理師協会は内部に「日本公認心理師学会」という学術部会を作って、認定制度に絡めています。
これは先走り過ぎだよ。生涯学習制度にしても専門認定制度にしても、制度として作りたいなら、まずは業界でまとまってからにしましょうよ。
「公認心理師の会」も以前から専門資格認定を掲げているので、あっちでもこっちでもソレっぽい認定資格を作っても、混乱するだけでしょう。分かりやすいどころか、分かりにくくなっちゃうのは目に見えてる。
公認心理師Aさん「『日本公認心理師協会認定 認定専門公認心理師』です」
公認心理師Bさん「『公認心理師の会認定 専門公認心理師』です」
いや、ワケ分からんでしょう。
そもそも公認心理師協会と公認心理師の会だって、一般の人にはわっかんないですよ。
まずは「公認心理師」という資格と存在を広く社会に認知してもらいましょうという段階で、なんで分かりにくくするかなぁ。
と、個人的には反対なんですが、日本公認心理師協会が「やる」と言ってるんだからやるんでしょう。勝手に認定しちゃいけない決まりもないので、認定制度は始まるのでしょう。
次回は、これから始まるその認定制度について、もうちょっと細かい所にツッコミを入れます。
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